モーショングラフィックスの作り方|After Effects初心者でも7つの手順で作れる

丸や四角がポンポン出ては消えていく、おしゃれな動画を見たことはありませんか。
むずかしそうに見えますが、しくみはとても単純です。
1秒で終わる小さな動きを5つ作り、それをたくさん並べるだけで、この記事の完成動画ができました。
この記事では、After Effectsをほとんど触ったことがない方に向けて、モーショングラフィックスの作り方を画面のスクリーンショットつきで順番に説明します。
触る場所には、すべて番号つきの枠をつけました。
むずかしい計算やエクスプレッションは出てきません。
クリックと数字の入力だけで作れます。
この記事でわかること
- After Effectsで、1秒の小さな動き(パーツ)を作る方法。
- 動きを「最初に速く、最後はゆっくり」にする、イージングのかけ方。
- パーツに色をつけて、少しずつずらして並べる方法。
- ノイズとカクカク感で、手作りの雰囲気を足す方法。
- 横長の画面を、カメラで流すように見せる方法。
After Effects 2026で作りました。
お手本の動画と、この記事の進め方
お手本にしたのは、Anima HarasyoさんのYouTube動画「【Aeチュートリアル】量産型モーショングラフィックス」です。
約50分の動画で、小さなパーツを作って大量に並べる作り方を、実際の操作で見せてくれています。
「量産型」という名前のとおり、一度覚えると、文字を入れ替えるだけで何本でも作れるのが魅力です。
この記事の画面は、筆者のMacのAfter Effects 2026で同じ流れを作り直して撮ったものです。
中央の文字は、お手本の文字の代わりに、このブログの宣伝の文字にしています。
記事に出てくる数字は、筆者の作例で実際に入れた値です。
お手本の動画と細かい数字が違うところがあるので、そのまま写さず、目安として使ってください。
先に覚えておきたい、4つのことば
After Effectsをはじめて触ると、ことばでつまずきます。
この記事に出てくるものだけ、先にかんたんに説明しておきます。
| ことば | ひとことで言うと |
|---|---|
| コンポジション | 動画を作る「台紙」です。 大きさと長さを決めて作ります。 台紙の中に、別の台紙を入れることもできます。 |
| シェイプレイヤー | 丸や四角などの図形です。 線の太さや大きさを、あとから自由に変えられます。 |
| キーフレーム | 「この時間に、この値」という目印です。 目印を2つ打つと、その間をAfter Effectsが自動で動かしてくれます。 |
| イージング | 動きの速さの変化です。 同じ1秒でも、最初に速いか最後に速いかで、見え方が大きく変わります。 |
作る順番は、7つの手順です
モーショングラフィックスの作り方は、大きく分けると次の7つの手順です。
| 手順 | やること | この記事の作例の値 |
|---|---|---|
| 1 | 横長の台紙(コンポジション)と色を決める | 3000×1080・29.97fps。 色は背景をふくめて6色。 |
| 2 | 円が広がって消えるパーツを作る | 1080×1080の台紙。 1秒(30フレーム)で消える。 |
| 3 | 動きにイージングをかける | 最初に速く、最後はゆっくり。 |
| 4 | 同じ要領で、パーツを5種類にふやす | 円・四角・半月・弧・玉。 |
| 5 | パーツに色をつけて、ずらして並べる | 6個を1組にして、5フレームずつずらす。 |
| 6 | ノイズとカクカク感を足す | ノイズ20%・10コマ/秒。 |
| 7 | カメラのように横に流す | 1920×1080の台紙で、左から右へ。 |
ここで1つ作れたら、あとは同じことのくり返しになります。
手順1:横長の台紙と、使う色を決める
まず、完成動画の台紙になるコンポジションを作ります。
メニューの「コンポジション」>「新規コンポジション」を選びます。
幅は3000px、高さは1080pxにします。
ふつうの動画(1920px)より横長にしておくのは、最後に手順7で、カメラのように横へ流すためです。
フレームレートは29.97、デュレーション(長さ)は7秒にしました。
色は、先に決めておくと迷いません。
この記事の作例では、次の6色を使いました。
作例で使った6色
- 背景のクリーム色(カラーコード F5E4D1)
- 紺(カラーコード 404B6F)
- 薄紫(カラーコード 868BBF)
- 朱色(カラーコード E46238)
- オレンジ(文字の色)(カラーコード FA9018)
- 青(カラーコード 4F6BB5)
色は、お手本の動画の画面から近い色を拾ったものです。
ネットで「配色 見本」と探すと組み合わせの例がたくさん出てくるので、好きなものを使って大丈夫です。
最後に、真ん中に文字を入れておきます。
作例では「kawai1123.com」と「セカンドキャリアで、稼ぐ力を。」の2行にしました。
手順2:円が広がって消える、1秒のパーツを作る
ここからが、モーショングラフィックスの作り方のいちばんの中心です。
パーツは、メインとは別の正方形のコンポジションで作ります。
メニューの「コンポジション」>「新規コンポジション」で、幅1080px・高さ1080px・長さ3秒の台紙を作り、名前を「パーツ1_円」にします。
- ツールバーの「楕円形ツール」をダブルクリックします。
台紙いっぱいの円のシェイプレイヤーができます。 - 上のツールバーで、塗りを「なし」、線を「白」にします。
- タイムラインでレイヤーの左の「>」を開き、コンテンツ>楕円形>楕円形パス の「サイズ」と、線の「線幅」の時計マークを押します。
これでキーフレームが打てます。 - 0秒0フレームで、サイズを0、線幅を100にします。
- 1秒0フレームに移動して、サイズを500、線幅を0にします。
これで、何もないところから円が広がり、線がだんだん細くなって消える動きができました。
レイヤーを選んでUキーを押すと、キーフレームを打った項目だけが表示されます。
下の図がその状態です。
②のサイズと線幅に、③のとおり0秒と1秒の2か所でキーフレームを打っています。
大事なのは、「何もない状態から始まって、何もない状態で終わる」ことです。
最初から出っぱなしのパーツがあると、あとでたくさん並べたときに画面に残り続けて、じゃまになります。
手順3:イージングで「最初に速く、最後はゆっくり」にする
このままでは、円は同じ速さで広がるだけなので、少し機械的に見えます。
そこで、動きの速さに変化をつけます。
- キーフレームを4つとも選びます。
タイムラインの上で、ドラッグして囲むと選べます。 - F9キーを押します。
これで「イージーイーズ」という、ゆっくり動き出してゆっくり止まる設定がかかります。 - Shift+F3キーで「グラフエディター」を開きます。
- グラフの最初のハンドル(点から出ている線)を短くし、最後のハンドルを長く引きます。
②最後は平らに近づき、ゆっくり止まります。
グラフが「急な坂から、なだらかな平ら」になっていれば成功です。
再生すると、円がポンと飛び出して、ふわっと消えるように見えます。
もう一度Shift+F3を押すと、いつもの画面に戻ります。
ポンと出る動きは、まさにそれです。
手順4:同じ要領で、パーツを5種類にふやす
1つできたら、プロジェクトパネルでそのコンポジションを選び、Cmd+D(WindowsはCtrl+D)で複製します。
複製したコンポジションを開いて、中のシェイプレイヤーを消し、新しい動きを作ります。
作例では、次の5種類を作りました。
| パーツ | 使う機能 | 作例の値(30フレームで1秒) |
|---|---|---|
| 1 円 | 楕円形・線 | サイズ 0→500。 線幅 100→0。 |
| 2 四角 | 長方形・線・回転 | サイズ 0→500。 線幅 50→0。 回転 0°→45°。 |
| 3 半月 | パスのトリミング・テーパー | 終了点 0→80%(0〜20フレーム)。 開始点 0→80%(10〜30フレーム)。 |
| 4 弧 | パスのトリミング・線端(丸型) | 線幅 0→50→0。 開始点と終了点を少しずらして0→100%。 |
| 5 玉 | 塗り・X位置・サイズ | 右へ飛んで左へ戻る。 速いときだけ横に伸ばす。 |
半月:開始点と終了点をずらして、追いかけっこさせる
半月は、円の線を「パスのトリミング」で一部だけ見せて作ります。
レイヤーのコンテンツの右にある「追加」から「パスのトリミング」を選びます。
線の「テーパー」で始まりと終わりを60%にすると、両端が細くとがった半月の形になります。
②の開始点・終了点・回転に、③のように少しずつずらしてキーフレームを打っています。
終了点が先に伸びて、あとから開始点が追いかけてくるので、線がシュッと走って消えます。
このとき、終了点は「最初に速く」、開始点は「最後に速く」とイージングを逆にすると、きれいに追いかけます。
玉:速いときだけ横に伸ばして、弾む感じを出す
玉は、塗りのある小さな円です。
レイヤーの「位置」を右クリックして「次元に分割」を選ぶと、X位置(横)だけを動かせます。
X位置は、右へ飛び出してから左へ戻るように、0・15・30フレームの3か所にキーフレームを打ちます。
②のサイズとX位置に、③のように行って戻るキーフレームを打っています。
サイズの鎖マーク(縦横比の固定)を外すと、横と縦を別々に変えられます。
速く動いている瞬間だけ横に伸ばし、止まりかけたら丸に戻すと、ゴムボールのように見えます。
テイストがそろっているほうが、並べたときにきれいです。
1つだけ動きが変わっていると、そこだけ目立ってしまいます。
手順5:パーツに色をつけて、ずらして並べる
いよいよ、手順1の横長の台紙に並べます。
プロジェクトパネルから「パーツ1_円」を、タイムラインへドラッグします。
パーツは白で作ったので、ここで色をつけます。
- 並べたパーツを選び、メニューの「エフェクト」>「描画」>「塗り」を選びます。
- 左上のエフェクトコントロールに「塗り」が出るので、「カラー」の色を押して、手順1の色から選びます。
- 画面の中で、パーツを好きな場所へ動かし、大きさ(スケール)を小さくします。
- Cmd+Dで複製し、5フレーム後ろにずらして、別の場所・別の色にします。
②の「塗り」の「カラー」で色を選んでいます。
作例では、同じパーツを6個で1組にして、5フレームずつずらしました。
それを12組、合わせて72個並べています。
四角や半月は、回転を少しずつ変えておくと、同じ動きでも違って見えます。
文字のまわりに散らすように置くと、文字が読みやすいまま、にぎやかになります。
手順6:ノイズとカクカク感で、手作りの雰囲気を足す
並べただけでも動画になりますが、少しつるっとした印象です。
そこで「調整レイヤー」を1枚足して、全体に質感をつけます。
調整レイヤーは、その下にあるすべてのレイヤーに、まとめてエフェクトをかけられる透明な板です。
- メニューの「レイヤー」>「新規」>「調整レイヤー」を選び、いちばん上に置きます。
- 「エフェクト」>「ノイズ&グレイン」>「ノイズ」をかけ、ノイズ量を20%にします。
- 「エフェクト」>「時間」>「ポスタリゼーション時間」をかけ、フレームレートを10にします。
②のタイムラインでは、パーツが5フレームずつずれて階段のように並んでいます。
ノイズで、紙に印刷したようなざらっとした質感になります。
ポスタリゼーション時間で、動きが1秒に10コマになり、少しカクカクした手作りの雰囲気になります。
タイムラインの階段は、パーツが順番に出てくる時間の並びです。
手順7:カメラのように、横長の画面を流す
最後に、ふつうの動画の大きさ(1920×1080)の台紙を新しく作り、手順1の横長のコンポジションを中に入れます。
台紙が窓になって、横長の画面の一部だけが見えるしくみです。
- 新規コンポジションで、1920×1080の台紙を作ります。
- プロジェクトパネルから、横長のコンポジションをドラッグして入れます。
- 位置を右クリックして「次元に分割」を選び、X位置だけを使います。
- 0秒で左端が見える位置、終わりの近くで右端が見える位置に、キーフレームを打ちます。
②のX位置だけを動かして、左から右へ流しています。
X位置のイージングは、「最初は速く、途中はゆっくり、最後も速く」にしました。
途中でゆっくりになるので、文字を読む時間ができます。
筆者がやってしまった失敗:カメラが途中で逆戻りした
じつは、最初に作ったときは、この線が途中で一度上がっていました。
「最初と最後を速く」しようとして、速さの値を大きく入れすぎたためです。
再生すると、カメラが右へ進んでいたのに、途中で少しだけ左へ戻ってしまいます。
目で見ても気づきにくいくらいの小さな戻りでしたが、グラフエディターを開いたら、ひと目でわかりました。
動きが「なんとなく変」と感じたら、グラフエディターで線が逆向きになっていないかを見てください。
こわがらずに開いてみると、原因がすぐ見つかります。
できあがりを、コマ送りで見てみましょう
パーツが順番に出ては消え、画面が左から右へ流れていきます。
この作例は、同じ作り方で縦長(1080×1920)と正方形(1080×1080)にも作り直して、SNSにも投稿しました。
並べる台紙の形を変えるだけなので、この量産型のモーショングラフィックスの作り方は、SNS用の動画にも向いています。
うまくいかないときは、ここを見てください
確認したい5つのこと
- パーツが最初から見えている:0秒のサイズが0になっているか。
- パーツが消えずに残る:最後のキーフレームで、線幅かサイズが0になっているか。
- 色が変わらない:「塗り」のエフェクトが、並べたパーツのレイヤーにかかっているか。
- 全体にノイズがかからない:調整レイヤーが、いちばん上にあるか。
- カメラの動きがぎこちない:グラフエディターで、線が途中で逆向きになっていないか。
よくある質問
Q. After Effectsをはじめて使いますが、作れますか?
作れます。
使うのは、図形を描く・数字を入れる・キーフレームを打つの3つだけです。
最初は手順2の円のパーツを1つ作るところまでで十分です。
Q. パーツは何個くらい作ればいいですか?
作例は5種類でした。
お手本の動画でも、5種類ほど作ったら並べる作業に入っています。
種類をふやすより、並べ方とずらし方で変化をつけるほうがかんたんです。
Q. 文字を変えて、ほかの動画にも使えますか?
使えます。
真ん中の文字を打ちかえて、色をかえるだけで、別の動画になります。
これが「量産型」と呼ばれる理由です。
Q. パソコンが重くなりませんか?
パーツは図形だけなので、比較的軽いほうです。
それでも重いときは、画面下の解像度を「1/2画質」や「1/4画質」にすると、プレビューが軽くなります。
あわせて読みたい:文字PVの作り方|After Effectsで文字が飛びこむ動画を9つの手順で作る
あわせて読みたい:Premiereで人物の後ろに文字を入れる方法|描画モード「比較(暗)」だけで3ステップ
まとめ
モーショングラフィックスの作り方 7つの手順
- 横長の台紙(3000×1080)と、使う色を決める。
- 円が広がって消える、1秒のパーツを作る。
- イージングで「最初に速く、最後はゆっくり」にする。
- 同じ要領で、パーツを5種類にふやす。
- 「塗り」で色をつけ、5フレームずつずらして並べる。
- 調整レイヤーで、ノイズとカクカク感を足す。
- 1920×1080の台紙に入れて、カメラのように横へ流す。
それができたら、もう半分はできています。
After Effectsの動きは、ほかの記事でも作っています。
- 円グラフも数字も動く、インフォグラフィックアニメーションの作り方
- 一文字ずつ動くテキストアニメーション|文字をゆったり流しこむ6つの設定
- After Effectsのモーションブラーで、文字に「すばやさ」を出す
After Effectsをこれから使うなら
この記事の作例は、After Effectsの単体プランか、Creative Cloudのプランで作れます。
まずは無料体験で、円のパーツを1つ作ってみるのがおすすめです。
使い続けるかどうかは、作ってみてから決めて大丈夫です。
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参考:Anima Harasyo「【Aeチュートリアル】量産型モーショングラフィックス」(YouTube)。
作り方は動画を参考にし、画面・パーツ・文字・数値は筆者が作り直したものです。
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