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三宅香帆
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伝わる言語化|三宅香帆が教える「自分の言葉」で人生を変える方法。50代からでも遅くない!

伝わる言語化の要約。「楽しかった」で終わらせない、三宅香帆の本のアイキャッチ
Kawai358
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「自分の気持ちをうまく伝えられない」

そんな経験はないだろうか。

会議で意見を求められても、頭の中では考えがまとまっているのに、いざ話そうとすると言葉が出てこない。

家族との会話でも、本当は伝えたいことがあるのに、うまく説明できず、最後には「もういい」と諦めてしまう。

SNSやブログに何かを書こうとしても、ありきたりな表現ばかりになってしまう。

企画会議で付箋にアイデアを出し合う人たち。伝わる言語化の記事の写真
頭の中ではまとまっているのに、言葉が出てこない(写真はイメージです)。

年齢を重ねると経験や知識は増えていく。

それなのに、自分の思いを言葉にすることは意外と難しい。

三宅香帆氏の『伝わる言語化 自分だけの言葉で人の心を動かすトレーニング』は、そんな悩みを解決するヒントを与えてくれる一冊だ。

まずは1分で分かる、この記事の要点

  • 「すごい」「楽しかった」のような決まり文句だけでは、気持ちの中身は伝わらない。
  • 言葉にするカギは、語彙力より「細分化」。気持ちを細かく分けるほど、自分らしい言葉になる。
  • 心が動いた理由は「共感」「驚き」「不快」「退屈」のどれかに分けて考えられる。
  • 相手に伝わらない原因は「情報格差」。相手が知らないことを想像して補う。
  • 明日からは、1日1つ、心が動いたことを自分しか見ないメモに書くところから。
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なぜ自分の気持ちは言葉にできないのか?

私たちは普段、「すごい」「楽しかった」「大変だった」「感動した」といった言葉を何気なく使っている。

もちろん、それ自体は悪いことではない。

ただ、それだけでは自分が何を感じ、なぜ心が動いたのかまでは相手に伝わらない。

本書では、こうした誰もが使う決まり文句を「クリシェ」と呼んでいる。

便利な言葉に頼るほど、自分の本当の気持ちが言葉から抜け落ちていく、というわけだ。

例えば、久しぶりに友人と食事をしたとする。

「楽しかった!」で終わらせるのか、それとも「昔と変わらず、何気ない話で笑い合える時間が嬉しかった」と伝えるのか。

同じ出来事でも、受け取る側の印象は大きく変わる。

同じ出来事でも、伝わり方が変わる決まり文句だけ「楽しかった!」気持ちの中身が見えない細かく分けて言葉にする昔と変わらず、何気ない話で笑い合える時間が嬉しかった何に心が動いたかが伝わる必要なのは語彙を増やすことより、自分の気持ちを細かく分けること
図1:同じ出来事でも、細かく分けると伝わり方が変わる

大切なのは、立派な言葉を使うことではない。

自分が本当に感じたことを、自分の言葉で表現すること。

これが本書の大切なテーマだ。

食卓を囲んで笑い合う日本の家族
「楽しかった」の中身を、もう一歩だけ細かく(写真はイメージです)。

伝わる言語化は「自分のなか」と「相手に伝える」の2段階

本書では、言語化を2種類に分けて考えている。

1つは、自分の気持ちや考えを、自分で分かるように言葉にする「自分のなかの言語化」。

もう1つは、その言葉を相手に届ける「他人に伝わる言語化」だ。

うまく伝えられないとき、私たちはつい話し方や文章の技術を疑う。

けれども、そもそも自分の中で言葉になっていなければ、どんなに上手に話しても相手には届かない。

相手に伝える力は、まず自分の気持ちに言葉を与えるところから始まる。

言語化は「自分のなか」と「相手へ」の2段階自分のなかの言語化鍵は「細分化」心が動いた瞬間に気づくどんな感情かを細かく分ける自分しか見ないメモに書く相手に伝える言語化鍵は「情報格差」を埋める相手との距離を知る相手が知っていることを想像する足りない情報を補って伝える(Audible版の章立てをもとに筆者が図にしたもの)
図2:言語化は「自分のなか」と「相手へ」の2段階でできている

語彙力より「細分化」が大事

言葉が出てこないと、「自分は語彙が少ないから」と考えがちだ。

本書が強調するのは、語彙力ではなく「細分化」である。

気持ちや出来事を細かく分けていくと、借り物ではない、自分だけの具体的な言葉が見つかる。

具体例は細かければ細かいほどいい。

オリジナリティは、細かさに宿る。

先ほどの食事の例も、難しい言葉は1つも使っていない。

「何が」嬉しかったのかを、少し細かくしただけだ。

心が動いた理由を4つに分けて考える

感情を言葉にするときは、「どんな感情を」「どうして抱いたのか」の2つを考える。

本書では、ポジティブな気持ちのもとには「共感」か「驚き」があり、ネガティブな気持ちのもとには「不快」か「退屈」がある、と整理している。

「なぜ嬉しかったのか?」「何が嫌だったのか?」と自分に問いかけるとき、この4つに当てはめてみると考えやすい。

感情の理由を探すことで、自分でも気づかなかった本音が見えてくる。

心が動いた理由は、4つのどれかに分けられるポジティブな気持ち共感自分と重なると感じたポジティブな気持ち驚き思っていたのと違ったネガティブな気持ち不快受け入れにくいと感じたネガティブな気持ち退屈心が動かなかった「なぜ嬉しかったのか」を、この4つに当てはめて考える(分け方は本書の章立てから。各説明の言葉は筆者の補足)
図3:心が動いた理由は、共感・驚き・不快・退屈の4つに分けられる
ノートとペン。心が動いたことを1行ずつ書き留めるイメージ
気づいたことは、自分しか見ないノートに(写真はイメージです)。

メモは「自分しか見ない場所」に書く

日常の中で心が動いた瞬間を見逃さないために、本書はメモをすすめている。

ポイントは、誰かに見せる前提で書かないことだ。

メモのルールは自分で決めていい。

自分しか見られない場所に、ひとりで自由に書く。

人の目を気にしないからこそ、きれいごとではない本音が言葉になる。

相手に伝わらない理由は「情報格差」

自分の中で言葉になったら、次は相手に届ける段階だ。

本書では、伝わらない理由を「情報格差」と呼んでいる。

自分が知っていることを、相手も知っているとは限らない。

まずは相手との距離を知り、相手がどんな情報を持っているかを想像する。

そのうえで、足りない情報を補いながら伝える。

結論から話す、例を添えるといった工夫も、この「相手が知らないこと」を埋めるためにあると考えると、ぐっと使いやすくなる。

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50代からの仕事や人間関係にも言語化は役立つ

年齢を重ねると、職場でも家庭でも、言葉で伝えなければならない場面が増えていく。

仕事では、後輩への指導や上司への報告、取引先との交渉。

家庭では、夫婦の会話や子どもとの関係。

自分の考えをうまく伝えられないと、誤解が生まれたり、本当は納得していないのに相手に合わせてしまったりする。

職場で上司と話すビジネスマン
後輩への指導や上司への報告も、言葉で伝える場面(写真はイメージです)。

本書の後半では、商品や企画をプレゼンするとき、自分自身をアピールするとき、相手をほめるときやしかるときなど、場面ごとの伝え方も取り上げている。

後輩を育てる立場になった50代にとって、ほめ方としかり方の言葉を見直せるのはありがたい。

そんなとき、自分の感情を整理して言葉にできれば、相手とのコミュニケーションも変わってくる。

特に大切なのは、相手を言い負かすことではない。

自分が何を考えているのか、何を大切にしているのかを、相手に理解してもらうことだ。

言語化する力は、仕事のためだけではなく、自分らしく生きるためにも必要なスキルなのだと思う。

リビングでスマホで電話する笑顔の女性
家族や友人との会話にも、伝わる言葉はそのまま生きる(写真はイメージです)。

ブログやSNSで発信する人にもおすすめ

私が特に注目したいのは、言語化の力が情報発信にも役立つという点だ。

ブログやSNSには、毎日たくさんの文章が投稿されている。

その中で読者の心に残るのは、単に情報を並べた文章ではない。

書き手自身の経験や感情が伝わってくる文章だ。

例えば、50代から新しいことに挑戦した経験を書くときも、「新しいことを始めました」だけでは印象に残りにくい。

始める前の不安、失敗したときの悔しさ、少し前進できたときの喜び。

そうした具体的な感情を言葉にすることで、同じ悩みを抱える読者の共感につながる。

本書の最終章では、言語化の技術を企画やコンセプトづくりにも応用し、自分で立てた「問い」がオリジナリティになると語られている。

発信を続けたい人にとっては、何を書くかを決めるヒントにもなる。

人の心を動かす文章は、上手な文章よりも、自分の体験が伝わる文章なのかもしれない。

ノートパソコンで調べものをする50代くらいの女性
上手さより、自分の体験が伝わる文章を(写真はイメージです)。

今日からできる言語化トレーニング

難しく考える必要はない。

まずは一日一つ、心に残った出来事を書き留めてみよう。

今日からできる、1日1つの言語化トレーニング1今日、一番心が動いたことは?嬉しい、腹が立つ、違和感でもいい2なぜ、心が動いたのか?共感、驚き、不快、退屈のどれに近いか3そのとき、どんな気持ちだったか?「すごい」で終わらせず、細かく書く4誰かに伝えるなら、どう言うか?相手が知らないことを、ひと言足す完璧な文章でなくていい。自分しか見ないメモに書く
図4:今日からできる、1日1つの言語化トレーニング
  • 今日、一番嬉しかったことは?
  • なぜ、それが嬉しかったのか?
    共感と驚きのどちらに近いかを考えてみる。
  • そのとき、自分はどう感じたのか?
  • 誰かに伝えるなら、どんな言葉を選ぶか?
    相手が知らないことを、ひと言足してみる。

この習慣を続けるだけでも、自分の感情を見つめ直すきっかけになる。

最初から完璧な文章を書く必要はない。

自分の言葉で考え、自分の言葉で伝える。

その積み重ねが言語化する力を育てていく。

ノートとペンとコーヒーが置かれた机の手元
1日1つ、心に残ったことを書き留める(写真はイメージです)。
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Audibleで聴くなら、どの章から?

忙しくて本を開く時間が取れない人には、Audible版という選択肢もある。

再生時間は1時間59分で、はじめに、5つの章、あとがきでできている。

家事をしながら、散歩をしながら聴けるのがいいところだ。

Audible版の章と長さはじめに12分57秒1章 言語化とは何か13分9秒2章 自分のなかの言語化27分52秒3章 相手に伝える言語化20分3秒4章 実践のコツ24分0秒5章 世の中に届く言語化17分54秒あとがき4分1秒全体で1時間59分。いちばん長いのは2章の約28分(筆者が章情報から計算。章名は短く縮めている。橙色は記事で詳しく扱った章)
図5:Audible版の章と再生時間(筆者が章情報から計算)
  • 気持ちがうまく言葉にならないなら。
    2章「自分のなかの言語化」から。
    28分ほどで聴ける。
  • 話しても相手に伝わらないなら。
    3章(相手に伝える段階)から。
    20分ほどだ。
  • プレゼンや部下への声かけに悩んでいるなら。
    4章「実践のコツ」から。
    24分ほどで聴ける。

1日1章なら、1週間ほどで聴き終わる。

ただ、トレーニングの本なので、聴いたあとに1つでもメモを書いてみると身につきやすい。

※章の長さは、Audibleの章情報から筆者が計算した。

公園の芝生に寝転んでヘッドホンで音声を聴く女性
耳で聴いて、気になったところだけメモに書く(写真はイメージです)。

『伝わる言語化』 自分だけの言葉で人の心を動かすトレーニング

著者
三宅香帆(文芸評論家)
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2025年10月24日(単行本・176ページ)
内容
ありきたりな表現から抜け出し、自分の言葉で相手に伝えるための考え方と練習を、全5章で紹介する本
形式
単行本/Kindle版/Audible版

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耳で聴く、Audible版

Audible版は、ナレーターの谷始央理さんが読んでいます。

再生時間は1時間59分です。

2026年11月8日時点で、Audibleの聴き放題の対象になっています。

対象は時期によって変わるので、リンク先で確認してください。

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Audibleの無料体験を見る(PR)伝わる言語化|三宅香帆が教える「自分の言葉」で人生を変える方法。50代からでも遅くない!

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無料体験の期間と条件は、変わることがあります。

申し込む前に、リンク先のページで確認してください。

Audible版の内容は、Audible公式の作品ページでも確認できます。

まとめ|自分の言葉を持つことは、自分らしく生きること

三宅香帆氏の『伝わる言語化』は、単なる文章の書き方を学ぶ本ではない。

自分の感情に気づき、それを整理し、相手に届けるための考え方を学べる一冊だ。

この記事のまとめ

  • 「すごい」「楽しかった」で終わらせず、気持ちを細かく分ける。
  • 心が動いた理由を、共感・驚き・不快・退屈に当てはめてみる。
  • 相手が知らないことを想像して、ひと言足して伝える。

仕事でも、家庭でも、ブログやSNSでも、自分の言葉で伝える力は大きな武器になる。

50代だから遅いということはない。

これまでの人生で経験してきたこと、悩んだこと、乗り越えてきたこと。

その一つひとつが、自分にしか書けない言葉の材料になる。

誰かの言葉を借りるのではなく、自分の経験から生まれた言葉で伝えてみよう。

本を手に笑顔を見せる眼鏡のシニア女性
これまでの経験が、自分にしか書けない言葉の材料になる(写真はイメージです)。

あなたの何気ない経験が、同じ悩みを抱える誰かの心を動かすかもしれない。

こんな人におすすめ

  • 自分の気持ちをうまく言葉にできないと感じている人
  • 会議や家族との会話で、言いたいことが伝わらない人
  • 後輩や部下へのほめ方、しかり方に悩んでいる人
  • ブログやSNSの文章がありきたりになってしまう人
  • 50代から発信を始めてみたい人

よくある質問(FAQ)

Q. この本はどんな本ですか?

文芸評論家の三宅香帆さんが、決まり文句に頼らず、自分の言葉で相手に伝えるための考え方と練習をまとめた本です。

2025年10月にディスカヴァー・トゥエンティワンから出ています。

Q. 『「好き」を言語化する技術』とは何が違いますか?

同じ著者の本ですが、本書は「相手に伝える」ところまでを扱い、プレゼンや自己アピール、ほめ方やしかり方などの場面も取り上げています。

好きなものを語る力から一歩進んで、仕事や家庭での伝え方を身につけたい人に向いています。

Q. 語彙が少なくても言語化できますか?

本書は、言語化に必要なのは語彙力ではなく「細分化」だとしています。

難しい言葉を覚えるより、自分の気持ちを細かく分けて見ることが出発点です。

Q. Kindle版やオーディオブックはありますか?

単行本のほかに、Kindle版とAudible版があります。

Audible版は谷始央理さんの朗読で1時間59分、2026年11月8日時点で聴き放題の対象です。

対象は時期によって変わるので、リンク先で確認してください。

Q. 50代からでも身につきますか?

本書は特別な才能ではなく、練習で身につける方法として言語化を紹介しています。

これまでの経験が多いぶん、言葉の材料はむしろ豊富です。

1日1つのメモから始めてみてください。

※この記事は、『伝わる言語化』(三宅香帆 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)を紹介する筆者の感想と要約です。

本の構成は、Audible版の章立てで確認しています。

章の長さは、Audible版の章情報から筆者が計算しています。

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この記事の写真と図解について(Adobe Stock)

写真9点は、Adobe Stockの無料素材

この記事の写真9点は、Adobe Stockの無料素材です。

会議、食卓、ノートとペンなど、言葉を交わす場面が浮かぶ写真を選びました。

どの写真も、筆者の家族や知人ではありません。

図解5点は、筆者が本の章立てと原稿から作った

図5はAudible版の章情報をもとに作りました。

図1から図4は、章立てで確かめた考え方と、この記事の原稿を1枚ずつにまとめたものです。

図にしてみると、自分の考えのどこがあいまいだったのかがよく見えます。

これも、言葉にする練習のひとつだと感じています。

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