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80代になるとたいていボケるか死ぬを要約|76章中57章が「やめること」だった

80代になるとたいていボケるか死ぬの要約記事のアイキャッチ。76章中57章がやめることだった
河合義寛(YoshihiroK)
この記事には広告・アフィリエイトリンクを含みます。

70代に向けて書かれた本を、54歳の自分が読みました。

林真理子さんの『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』(幻冬舎新書)です。

タイトルだけ見ると、身も蓋もない本に思えます。

実際に中身を確かめると、脅かすための本ではありませんでした。

70代を「まだ自分で動ける最後の十年」と見て、その十年の使い方を細かく指示してくる本です。

この記事について

林真理子『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』(幻冬舎新書)の要約と読書メモです。

Audible版の章立てを実際に取得して1章ずつ数えたので、販売ページには出ていない数字も載せています。

想定している読者は、45歳から54歳くらいで、早期退職や役職定年が視野に入ってきた人です。

読み終わると、本書が70代に求める「やめること」の全体像と、そのうち16年前倒しで着手できる7つが手元に残ります。

本文は自分の言葉で書き直しており、原文の引き写しはしていません。

先に筆者の立場を書いておきます

筆者は54歳で、70代ではありません。

医療業界に30年いた人間ですが、看護師でも介護職でもありません。

この記事は、70代の当事者としての実感を語るものではありません。

70代向けに書かれた実践リストを、16年手前から読んだ記録です。

70代を前に公園を歩く男性。80代になるとたいていボケるか死ぬの要約記事の導入イメージ
70代は「まだ自分で動ける最後の十年」。本書はその十年の使い方を指示してくる。
メニュー
  1. 結論:この本は「やめることリスト」だった
  2. 著者と、この本が置かれている場所
  3. Audible版の全76章を数えて分かった3つのこと
  4. 54歳の自分は、この本をどう使うか
  5. 16年前倒しでやめられる7つのこと
  6. この記事で章の数をどう調べたか
  7. 50代で「やめる」を決めるときの3つの落とし穴
  8. 70代の親を持つ世代が読むと、見え方が変わる
  9. 最初の30日で何をするか
  10. この本が合わない人もいる
  11. 新書で読むか、Audibleで聴くか
  12. 書籍情報と入手先
  13. あわせて読みたい記事
  14. この記事の写真と図解の作り方(Adobe Stock と Adobe Express)
  15. よくある質問
  16. まとめ|『80代になるとたいていボケるか死ぬ』の要約
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結論:この本は「やめることリスト」だった

先に結論を書きます。

『80代になるとたいていボケるか死ぬ』は、やることを増やす本ではありません。

やめることを決めるための本です。

Audible版の章タイトルを全部並べると、それがはっきり出ました。

全76章のうち57章が「してはいけない」「しない」という否定の形でした。

割合にすると75%です。

残りの19章も、多くは「覚悟しておく」「想定しておく」という受け止め方の話です。

新しく何かを始めよう、という章はほとんどありません。

この本の型:足す本ではなく、引く本よくある「70代の本」本書毎日1万歩を歩こう新しい趣味を始めよう投資を勉強しよう歩く目的を1つ決める同世代とだけつるまない貯金はまだ切り崩さないやることを足すやることを引くAudible版 全76章のうち57章が「してはいけない」「しない」の形だった
図1|本書は「やることを足す本」ではなく「やめることを引く本」だった。

本書の主張を3行にすると

1|70代は、これまでと同じことを続けていてはいけない時期である。

2|だから足すのではなく、諦めるものと手放すものを先に決める。

3|そのうえで残った時間を、楽しいと思えることだけに使う。

この構造は、そのまま50代にも効きます。

早期退職やリストラで生活が変わるとき、人はまず何かを足そうとします。

資格、スクール、新しい道具。

けれど実際に効くのは、続かないものを先に切るほうです。

本書はそれを、70代という締切つきで突きつけてきます。

著者と、この本が置かれている場所

著者は作家の林真理子さんです。

版元の紹介文では「72歳の人気作家」と書かれています。

つまり本書は、70代を外から観察して書かれた本ではありません。

いま70代を生きている人が、同じ場所から書いた本です。

ここが、医師や専門家が書く70代向けの本との、いちばん大きな違いだと思います。

医師の本は、根拠と数値で語ります。

本書は、実際に見聞きした具体例で語ります。

どちらが上という話ではなく、役割が違います。

根拠が欲しいときは医師の本を、生活の手触りが欲しいときは本書を、という使い分けになります。

そして本書には、数値も出典も出てきません。

そこを承知したうえで読むかどうかで、評価は分かれます。

この記事で使う言葉の整理

幻冬舎新書…幻冬舎が出している新書のシリーズで、本書は通し番号803にあたります。

Audible版…Amazonのオーディオブックサービス向けに録音された版のことです。

聴き放題…月額の会員プランに含まれる作品のことで、対象作品は入れ替わります。

章情報…作品の中がどこで区切られているかを示すデータで、再生位置の管理に使われています。

本書のAudible版は、Audible Originalsという枠で制作されています。

紙の本の朗読というより、音で聴くことを前提に整えられた版だと感じました。

1章あたりの長さが揃っているのも、その表れだと思います。

Audible版の全76章を数えて分かった3つのこと

ここが、この記事でいちばん独自性のある部分です。

Audible版の章情報を取得して、全76章のタイトルと再生時間を1章ずつ確認しました。

販売ページには「3時間28分」という合計しか書かれていません。

中身の内訳は公開されていません。

ヘッドホン。Audible版で全76章の章立てと再生時間を確認した
Audible版の章情報を取得して、全76章のタイトルと再生時間を1章ずつ確認した。
Audible版を数えて分かった3つの数字収録されている章76章合計の再生時間3時間28分1章あたりの平均2分44秒「やめる」型 57章その他19章075%100%章タイトルに「いけない」「ない」「しない」を含む章を数えた結果
図2|全76章、合計3時間28分、平均2分44秒。うち57章が「やめる」型だった。

1|1章が短い。平均2分44秒しかない

合計の再生時間は12,465秒でした。

時間に直すと3時間27分45秒で、販売ページの表示と一致します。

これを76章で割ると、1章あたり平均2分44秒です。

中央値は2分30秒でした。

いちばん短い章は52秒しかありません。

本を読み通す集中力が落ちてきた人でも、1章単位なら止まらずに進めます。

これは偶然ではなく、編集の設計だと思います。

2|長い章に本音が出ている

長い章に本音が出る:再生時間の上位5章配偶者の死から逃げてはいけない6分46秒無理して付き合う人とは付き合わない6分26秒人生を愉しまずに逝ってはいけない5分00秒お客さま用の食器をしまっておかない4分51秒とは言ってももうじきみんな死んでいく4分30秒全76章の平均2分44秒上位5章はいずれも平均の1.6倍以上あった。数値はAudible版の実測。
図3|最長は「配偶者の死から逃げてはいけない」の6分46秒。平均の2.5倍だった。

いちばん長い章は6分46秒でした。

配偶者の死を扱う章です。

2番目は6分26秒で、無理な付き合いをやめる話でした。

上位5章はいずれも平均の1.6倍以上あります。

おしゃれや持ち物の章が1分台で終わるのと比べると、差ははっきりしています。

章タイトルだけ眺めると軽い本に見えます。

ところが時間の配分を見ると、重心はまったく別の場所にありました。

著者が本当に書きたかったのは、死と、人との別れです。

これは目次を眺めているだけでは気づけませんでした。

3|健康の本に見えて、実際は人間関係の本だった

76章を6つの領域に分けると、いちばん多いのは人間関係人間関係17章趣味・暮らし・死生観16章健康・からだ14章おしゃれ・見た目10章お金10章仕事9章章タイトルから筆者が分類したもので、本書に領域ごとの章分けは無い
図4|人間関係が17章で最多。健康の本に見えて、実際は人づきあいの本だった。

76章を6つの領域に自分で分けてみました。

いちばん多かったのは人間関係で17章です。

次が、趣味と暮らしと死生観をまとめた16章でした。

健康は14章で3番目です。

『80代になるとたいていボケるか死ぬ』という書名から健康の本を想像していましたが、中身は人づきあいの本でした。

この分類は筆者が章タイトルから判断したもので、本書に領域ごとの章分けがあるわけではありません。

それでも、時間配分と章数の両方が同じ方向を指しているのは確かです。

領域ごとに、どんな話が並んでいるかもまとめておきます。

領域章数並んでいる話の傾向
人間関係17章付き合う相手の選び方、葬儀、配偶者や親との別れ、自慢話やねたみの扱い方。
趣味・暮らし・死生観16章読書、荷物、出かける前の確認、自分の葬儀、死が近づくことの受け止め方。
健康・からだ14章歩き方、定期健診、食べ過ぎ、歯、清潔、排泄の備え。
おしゃれ・見た目10章服の選び方、下着、装身具、すっぴんの確認、手入れ。
お金10章貯金、相続、おごり方と割り勘、見栄、支払い手段。
仕事9章やめない理由、急がないこと、隠居の考え方、誇りの置き所。

この表を作って分かったのは、健康の章がいちばん具体的で短いということです。

歯医者と仲よくする、清潔にし過ぎることはない、といった水準で書かれています。

逆に人間関係の章は、判断が必要な話ばかりです。

誰と付き合い、誰と付き合わないかは、正解が1つに決まりません。

だから章数も再生時間も、そちらに寄ったのだと思います。

4|章の長さの散らばりを見ると、構成の意図が分かる

76章を長さ別に分けると、次のようになりました。

全76章の長さの内訳

2分未満…21章

2分から4分…45章

4分以上…10章

いちばん短い章…52秒

いちばん長い章…6分46秒

全体の6割が2分から4分に集まっています。

2分未満の21章は、おしゃれや持ち物など、言い切って終わる話が中心でした。

4分以上の10章には、死や別れや家族の話が集まっています。

つまりこの本は、軽い話を短く、重い話を長く、という配分で作られています。

読み物としては当たり前の作り方ですが、それを数字で確認できたのは収穫でした。

章タイトルの一覧だけでは、ここまで見えません。

5|章タイトルがそのまま結論になっている

もう1つ、数えていて気づいたことがあります。

この本は、章タイトルを読んだ時点で結論が分かる作りになっています。

「二次会に行ってはいけない」と書いてあれば、中身は二次会に行かない理由です。

本文は、その理由と具体例を足すために使われています。

だから章タイトルの一覧が、そのまま要約として機能します。

ビジネス書でよくある、結論を最後まで引っぱる書き方とは逆です。

読み手の集中力が長く続かないことを前提にした設計だと思いました。

そしてこの作りは、耳で聴くときに特に効きます。

聴き逃しても、章タイトルさえ覚えていれば要点は残るからです。

6|「はじめに」が平均より長い

冒頭の「はじめに」は3分39秒でした。

全体の平均が2分44秒なので、1.3倍の長さです。

ここで著者は、70代をどう位置づけているかを先に示します。

版元の紹介文にある言葉を借りれば、70代は頭も体もまだ大丈夫で、蓄えもそれなりにある時期です。

そのうえで、これまでと全く同じことをしていたらダメだと言い切ります。

この前提を最初に置くから、そのあとの76章が「してはいけない」で埋まっていても筋が通ります。

逆に言うと、この前提に納得できない人は、続く章も受け入れづらいはずです。

合う合わないは、冒頭の3分半で判断できると思います。

54歳の自分は、この本をどう使うか

山あいの道。54歳から70代までの16年をどう使うかを考える
70歳まではあと16年。本書が70代に「もう遅い」と言うことの多くは、まだ間に合う。
54歳から70代までは、あと16年あるいま54歳70歳80歳準備にあてられる16年本書が「特別な時間」と呼ぶ10年70代を特別な時間にできるかどうかは、その手前の16年で決まる
図5|本書の主題は70代だが、その準備期間は50代のいまと重なっている。

ここから先が、この記事の本題です。

『80代になるとたいていボケるか死ぬ』は、70代に向けて書かれています。

筆者は54歳なので、70歳まではあと16年あります。

16年は、そう長い時間ではありません。

自分が医療機器メーカーで働いていた期間と、だいたい同じくらいです。

本書が70代に「もう遅い」と告げていることの多くは、50代ならまだ間に合います。

裏返すと、50代で手をつけなかったことは、70代では取り返しがつかないという意味にもなります。

だからこの本は、70代の人だけの本ではありません。

16年前倒しでやめられる7つのこと

ここからは、本書が70代に求めていることを、50代の課題に置き換えていきます。

すべて自分の実体験に当てて検算しました。

16年前倒しでやめられる7つ本書が70代に言うこと50代のいま前倒しすること01健康のためだけに歩かない歩く目的を1つ決める02貯金はまだ切り崩さない先に「稼ぐ口」を作る03仕事を簡単にやめない辞める順番を先に決める04同世代とだけつるまない下の世代に教わる05余裕がないのに見栄を張らない作るものを先に決める06世間ではなく自分が老いた変わったのは自分の側07現金払いにしがみつかない新しい仕組みを1つ試す
図6|70代への助言を、50代の課題に置き換えた7項目。左が本書、右が前倒し。

1|健康のためだけに歩くのをやめる

ランニングシューズ。健康のためだけに歩かないという章の実践
続いたのは健康のためではなく、完走という目的があったから。

本書の最初の章は、健康のためだけに歩いてはいけない、という話です。

目的のない運動は続かない、という主旨だと受け取りました。

これは実感があります。

自分は大阪マラソンを3大会、那覇マラソンを3大会完走しています。

続いた理由は健康のためではなく、完走という目的があったからです。

自転車の富士ヒルクライムには2回出て、ブロンズには届かず完走止まりでした。

それでも目標があったから、練習は続きました。

50代でやめるべきなのは、運動そのものではありません。

「健康のために」という、曖昧な理由づけのほうです。

2|貯金の切り崩し前提をやめる

ガラス瓶に入った小銭。貯金を切り崩す前に稼ぐ口を作る
切り崩す前に、細くても入ってくる口を先に作る。順番はこれ以外に無かった。

本書には、貯金はまだ切り崩してはいけない、という章があります。

70代でも、まだ減らす時期ではないという考え方です。

50代に置き換えると、話はもっと切実になります。

自分は2025年3月に医療業界を早期退職しました。

そのあと京都の農園で広報を担当しましたが、返礼品として企画したトマトパウダーは採算が合わず中止になりました。

ウェブデザインのオンラインスクールにも通いましたが、1円も稼げませんでした。

結果として、2026年1月に会社員へ戻っています。

子どもの学費があるので、フリーランスの収入だけでは足りなかったからです。

切り崩す前に、細くても入ってくる口を先に作る。

この順番以外に無いということが、実際にやってみて分かりました。

3|勢いで仕事をやめるのをやめる

自宅のノートパソコンで作業する男性。辞める順番を先に決める
やめること自体は否定しない。やめる順番を先に決めておく、というだけの話。

本書は、仕事を簡単にやめてはいけない、と繰り返します。

働くつらさもまだ捨ててはいけない、という章まであります。

70代に向けた話ですが、50代のほうが刺さるかもしれません。

自分は辞めてから次を探しました。

順番が逆でした。

いま二足のわらじを履いているのは、その順番を間違えた分の埋め合わせでもあります。

やめること自体を否定するつもりはありません。

やめる順番を先に決めておく、というだけの話です。

4|同世代とだけつるむのをやめる

カフェで話す人たち。同世代とだけつるまないという章の実践
教わる相手が同世代しかいないと、手元の情報が10年前で止まる。

本書には、友人は十歳下を選ぶ、という章があります。

同じ年代とばかりつるまない、とも書かれています。

理由は本書を読んでいただくとして、50代でこれをやる意味は別のところにあります。

いま自分が取り組んでいるブログとSNSと動画は、どれも下の世代のほうが詳しい領域です。

教わる相手が同世代しかいないと、手元の情報が10年前で止まります。

やめるべきなのは、同世代の常識を確かめ合うだけの時間のほうです。

5|見栄で道具をそろえるのをやめる

本書には、余裕がないのに見栄を張ってはいけない、という章があります。

おごり方や割り勘の作法まで書いてあるのが、この本らしいところです。

50代でこれが出るのは、たいてい道具です。

自分はウェブデザインのスクールに通ったとき、ソフトも機材も先にそろえました。

結果は1円にもなりませんでした。

足りなかったのは道具ではなく、何を作るのかという目的でした。

作るものを決めてから道具を選ぶ順番であれば、同じ金額でも結果は違ったと思います。

6|「世間が変わった」で片づけるのをやめる

本書に、世間が変わったのではなく自分が老いたのだと知るべし、という章があります。

いちばん怖いと思ったのがここでした。

同じことは転職市場でも起きます。

書類が通らない理由を市場のせいにしているうちは、何も変わりません。

自分は年収1000万円を超えていた時期がありますが、その基準のまま探しても話は進みませんでした。

変わったのは市場ではなく、こちらの立ち位置のほうでした。

これを50代で認められるかどうかが、たぶん分かれ目です。

7|現金主義にしがみつくのをやめる

ノートに書き込む手。新しい仕組みを1つずつ試して合うものだけ残す
全部拒むのでも、全部に乗るのでもない。1つずつ試して合うものだけ残す。

本書には、キャッシュ払いにしがみついてはいけない、という章があります。

寝る前にスマホを見てはいけない、という章と並んでいるのが面白いところです。

新しい仕組みを全部拒むのでも、全部に乗るのでもありません。

1つずつ試して、合うものだけ残すという姿勢です。

自分の場合は、記事の下ごしらえに生成AIを使うのがそれにあたります。

この記事のアイキャッチと、末尾のまとめカードも、Adobe Expressで作りました。

先にレイアウトを組んでからAdobe Expressのドキュメントとして読み込む作り方にしたので、文字も図形も写真もあとから編集できる状態で残っています。

ブラウザだけで動くので、道具をそろえる前に試せます。

新しい仕組みは、こうやって1つずつ試すのがいちばん安全でした。

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※上記はアフィリエイトリンクです。

この記事で章の数をどう調べたか

数字を出した以上、調べ方も書いておきます。

使ったのは、Audibleのクラウドプレーヤーが持っている章情報です。

作品を再生すると、いま何章目のどこを聴いているかが画面に出ます。

その表示のもとになっているデータに、章のタイトルと長さが入っています。

これを1章ずつ書き出して、合計と平均を計算しました。

検算として、76章の長さを足した値が販売ページの再生時間と一致するかを確認しています。

結果は12,465秒で、3時間27分45秒でした。

販売ページの表示は3時間28分なので、一致しています。

この方法の限界

分かるのは、章のタイトルと長さだけです。

各章の中身までは分かりません。

この記事で内容に踏み込んでいる章は、実際に聴いたものに限っています。

全76章を通しで聴き終えたとは書きません。

領域別の分類も、章タイトルからの判断なので、別の分け方もあり得ます。

それでも、章の数と長さは事実として確認できます。

本の印象を語る前に、確認できる事実を先に置く。

この順番は、医療機器の営業をしていたころに身についた癖でもあります。

50代で「やめる」を決めるときの3つの落とし穴

ここは本書に書かれていることではなく、自分がやってみて分かったことです。

やめることを決めるのは、始めることより難しいと感じました。

落とし穴1|全部いっぺんにやめようとする

早期退職した直後、自分はいろいろなものを一度に切りました。

結果として、何をやめたせいで何が変わったのかが分からなくなりました。

本書が76章に分けているのは、たぶん親切なのだと思います。

1つずつ、順番に判断させる作りになっています。

やめることは1か月に1つで十分です。

落とし穴2|人に宣言してからやめる

やめると人に言うと、後戻りしづらくなります。

それが良く働く場合もありますが、50代では逆に効くことのほうが多いと感じました。

宣言した手前、合わないと分かっても続けてしまうからです。

先に静かにやめて、1か月たってから結果だけ話すほうが、判断を誤りません。

落とし穴3|やめた分の時間を埋めない

やめると時間が空きます。

空いた時間に何も置かないと、たいてい元に戻ります。

自分の場合、通勤の時間をAudibleに置き換えたことで、読書が苦手なままでも本の数だけは増えました。

やめる決断と、置き換える先の決断は、必ずセットにしたほうがいいです。

70代の親を持つ世代が読むと、見え方が変わる

この本は、70代の本人だけに向いているわけではありません。

50代には、70代の親がいる人が多くいます。

自分も、親孝行をしたいと思っている側の人間です。

その視点で読むと、この本は別の顔を見せます。

たとえば、キャリーケースを使ってはいけない、という章があります。

年齢を重ねると、転がす荷物のほうに体が引っぱられるという話です。

これは、親の旅行に付き添ったことがある人なら思い当たるはずです。

本人が言い出しにくいことを、著者が代わりに言ってくれている章がいくつもあります。

親に何かを勧めるとき、子どもの側から言うと角が立ちます。

同じことを、同世代の作家が書いた本の形で渡すほうが、たいてい穏やかに済みます。

ただし、これを親に押しつける道具にすると逆効果です。

本書は本人が自分で決めるための本であって、他人を動かすための本ではありません。

渡すなら、こちらが先に読んでからにしたほうがいいと思います。

最初の30日で何をするか

読んで終わりにしないために、自分が決めた手順を書いておきます。

50代が最初の30日でやること

1週目…全76章を通しで聴き、引っかかった章タイトルだけ書き出す。

2週目…書き出した章のうち、いま自分に当てはまるものを3つに絞る。

3週目…3つのうち1つを選び、やめる日を決める。

4週目…やめた時間に何を置いたかを記録する。

ポイントは、3週目で1つに絞るところです。

本書には76の助言がありますが、同時に手をつけられるのはせいぜい1つでした。

自分が最初に選んだのは、同世代とだけ話す時間を減らすことです。

空いた時間は、下の世代が発信している内容を読む時間に置き換えました。

効果が出たかどうかは、まだ判断できません。

ただ、判断できるだけの記録は残るようになりました。

この本が合わない人もいる

Amazonの評価は5つ星のうち3.8で、レビューは702件でした。

いずれも執筆時点の数字です。

高い評価ばかりが並んでいるわけではありません。

読んでみると、その理由も分かります。

  • 体系立った健康法を求めている人
    本書は医学書ではありません。
    数値や出典は出てきません。
  • 男性向けの助言を探している人
    おしゃれや持ち物の章は、女性の生活を前提にしたものが多くあります。
    男性が読むと当てはまらない章も出てきます。
  • 言い切られるのが苦手な人
    「してはいけない」という書き方が最後まで続きます。
    エッセイとして読むか、指示として読むかで印象が変わります。

注意していただきたいこと

本書は、版元の紹介文によれば72歳の作家が自分の目で見てきたことを書いたエッセイです。

医学的な根拠を示した本ではありません。

健康や治療に関する判断は、必ず医療機関にご相談ください。

この記事も同じで、効果を保証するものではありません。

それでも読む価値があると思った理由

合わない部分があると書いたうえで、それでも読む価値はあると思っています。

理由は2つあります。

1つは、70代の生活の手触りが具体的に書かれていることです。

統計や平均寿命の話ではなく、手元が狂って服にシミがつく、という水準で書かれています。

この解像度は、専門家の本にはあまりありません。

もう1つは、締切を意識させられることです。

80代でたいていボケるか死ぬ、という書名は乱暴に見えます。

けれど、締切がない目標は先延ばしされる、というのは50代の実感とも合います。

自分の場合、早期退職してから2年近く迷いました。

迷えたのは、締切がなかったからです。

新書で読むか、Audibleで聴くか

本書には新書とKindle版とAudible版があります。

どれを選ぶかで、この本の受け取り方はけっこう変わります。

開かれた本。新書で読むかAudibleで聴くかを比べる
同じ内容でも、読み方の相性は分かれる。両方を使い分ける手もある。
全76章・3時間28分をどう聴くか1日1章ずつ76日朝の身支度のあいだに1章。習慣にしやすい。1日2章ずつ38日通勤の行きと帰りで1章ずつ。1か月ちょっとで終わる。つまみ聴き任意気になる章タイトルだけ。1章が短いので戻りやすい。1章あたり平均2分44秒なので、細切れの時間でも進む
図7|1章が短いので、聴き方は3通り選べる。1日2章なら38日で終わる。

1日2章なら38日で聴き終わる

全76章を1日2章ずつ聴くと、38日で終わります。

1章が平均2分44秒なので、2章でも6分かかりません。

通勤の行きと帰りで1章ずつ、という配分がいちばん続きました。

1日1章なら76日で、こちらは習慣にしやすい代わりに間延びします。

気になった章タイトルだけを拾う

本書は物語ではないので、順番に聴く必要がありません。

章タイトルがそのまま結論になっているので、気になったところだけ拾えます。

1章が短いぶん、外れても損した気になりません。

紙の本で目次を眺めてから、Audible版で聴きたい章に飛ぶ、という使い方もできます。

新書で読むか、Audibleで聴くか新書が向く人Audibleが向く人気になった章に戻りたい線を引きながら読みたい家族にも見せたい読書が続かなかった人通勤や家事の時間を使う人章の短さを活かしたい人筆者は先にAudibleで通し、気になった章を新書で拾う順番にした
図8|同じ内容でも、読み方の相性は分かれる。両方使う手もある。
比べる点新書(幻冬舎新書)Audible版
分量216ページ3時間28分・全76章
気になった所へ戻る△(章単位なら戻りやすい)
ながら利用×
読み手早水リサさん
聴き放題執筆時点では対象

Audible版のナレーションは合成音声ではありません。

販売ページの表記でも、読み手は早水リサさんと明記されています。

聴き放題の対象作品は入れ替わるので、実際の扱いはリンク先で確認してください。

自分は先にAudible版で通し、気になった章を新書で拾い直す順番にしました。

1章が2分台なので、聴き逃しても戻る負担がほとんどありません。

書籍情報と入手先

80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間

林真理子/幻冬舎(幻冬舎新書803)/2026年5月27日/216ページ/ISBN 978-4-344-98806-4

版元の公式ページにも紹介があります。

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耳で読みたい方へ(Audible版)

再生時間は3時間28分で、全76章に分かれています。

読み手は早水リサさんで、合成音声ではありません。

執筆時点では聴き放題の対象でしたが、対象作品は入れ替わるのでリンク先で確認してください。

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この記事の書き方について

本記事は書籍の要約と、読んだあとの個人的な感想をまとめたものです。

引用は最小限にとどめ、内容の説明はすべて自分の言葉に置き換えています。

全76章のうち、記事中で章タイトルに触れているのは一部だけです。

章の数と再生時間は、執筆時点にAudible版で実際に確認した値です。

書誌データは版元の公式ページと販売ページで確認しています。

価格や聴き放題の対象は変動するので、実際の値はリンク先で確認してください。

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ただし、無料の範囲だけで探していると必ず壁に当たります。

今回も「日本の70代が日常を過ごしている場面」を探しましたが、無料枠ではほとんど見つかりませんでした。

日本人が写っている素材や、狙った構図の素材は、無料枠では数が足りません。

点数を増やしたい方は、有料プランを検討する価値があります。

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図解8点は自分で作っている

本文の図解8点は、すべて自分で作りました。

図に落とす作業は、理解の抜け漏れを見つける検査になります。

図4の領域別の章数も、並べてみて初めて人間関係が最多だと分かりました。

要約を文章で書いているだけでは、そこまで見えませんでした。

図解やアイキャッチを本格的に作るなら、IllustratorやPhotoshopが入っているプランが結局は早道です。

自分もAfter Effectsで和柄の動画を作るようになってから、記事の幅が広がりました。

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アイキャッチとまとめカードはAdobe Expressで作った

この記事のアイキャッチと、末尾のまとめカードはAdobe Expressで作りました。

手順は、先にレイアウトを組んでから、それをAdobe Expressのドキュメントとして読み込むやり方です。

読み込んだあとは、文字も図形も写真もExpressの画面でそのまま編集できます。

この作り方には利点が2つあります。

1つは、同じデータからブログ用とSNS用を作り分けられることです。

もう1つは、数字や見出しを直したくなったときに、画像を一から作り直さずに済むことです。

今回のまとめカードも、章数の表記を打ち替えるだけで差し替えられる状態で残しています。

ブラウザだけで動くので、パソコンの性能もあまり問いません。

写真を扱うAdobe Stockと、仕上げに使うAdobe Expressは、役割が分かれています。

先に始めるなら、入口が軽いのはExpressのほうです。

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50代から始めるなら、どこから手をつけるか

ここは判断材料として書いておきます。

  • 写真だけ欲しい人
    Adobe Stock 単体で十分です。
    記事に写真を入れたいだけなら、これ以上は要りません。
  • 図解やアイキャッチまで自分で作りたい人
    Creative Cloud のプランになります。
    IllustratorとPhotoshopが両方使えるので、作れるものが一段増えます。
  • まず手を動かしてみたい人
    Adobe Express が入口として軽いです。
    ブラウザだけで動くので、道具を揃える前に試せます。

最後にひとつ、釘を刺しておきます。

道具を買っただけでは、何も変わりません。

自分はウェブデザインのオンラインスクールに通いましたが、1円も稼げませんでした。

作りたいものを先に決めてから道具を選ぶ、という順番でないと続きません。

これは本書の「見栄を張ってはいけない」そのものです。

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よくある質問

『80代になるとたいていボケるか死ぬ』はどんな本ですか

作家の林真理子さんが、70代の過ごし方を「健康」「おしゃれ」「仕事」「お金」「人間関係」「趣味」の6つの側面から書いたエッセイです。

助言のほとんどが「してはいけない」という形で並んでいるのが特徴です。

Kindle版やオーディオブックはありますか

どちらもあります。

Kindle版は167ページ相当で、Audible版は3時間28分です。

Audible版は執筆時点では聴き放題の対象でした。

70代ではない人が読んでも意味がありますか

意味はあると考えています。

本書が70代に「もう遅い」と告げていることの多くは、50代ならまだ間に合うからです。

ただし、おしゃれや持ち物の章は女性の生活を前提にしているため、当てはまらない部分も出てきます。

Audible版のナレーションは合成音声ですか

合成音声ではありません。

販売ページの表記でも、読み手は早水リサさんと明記されています。

全部で何章ありますか

Audible版で数えたところ、はじめにを含めて76章でした。

1章あたりの平均は2分44秒で、いちばん短い章は52秒です。

男性が読んでも役に立ちますか

半分は役に立ち、半分は当てはまらないというのが正直なところです。

お金、仕事、人間関係、死生観の章は性別に関係なく読めます。

おしゃれや持ち物の章は、女性の生活を前提にした記述が中心です。

新書とKindle版でページ数の表示が違うのはなぜですか

Kindle版のページ数は、紙の版面ではなく電子書籍の内部的な区切りで数えられているためです。

販売ページ上は新書が216ページ、Kindle版が167ページと表示されています。

中身が減っているわけではありません。

どの章から読めばいいですか

順番に読む必要はありません。

再生時間の長い章から読むと、著者がいちばん力を入れている話に先に当たります。

逆に、短い章から拾っていくと軽く読み進められます。

親に勧めてもいいですか

渡す前に、自分が先に読むことをおすすめします。

本人が自分で決めるための本なので、他人を動かす道具として使うと逆効果になります。

まとめ|『80代になるとたいていボケるか死ぬ』の要約

この記事の要点をまとめます。

  • 本書はやめることリストである
    Audible版の全76章のうち57章が否定形でした。
    やることを足す本ではありません。
  • 重心は健康ではなく人間関係にある
    領域別では人間関係が17章で最多でした。
    再生時間の上位5章も、死と別れを扱う章が並んでいます。
  • 1章が短い
    平均2分44秒、最短52秒です。
    1日2章なら38日で聴き終わります。
  • 50代なら16年前倒しできる
    歩く目的、貯金、辞める順番、つき合う相手、道具、自己認識、新しい仕組み。
    この7つは、いまから着手できます。

読み終えて残ったのは、70代が怖いという感情ではありませんでした。

70代でやめるように言われていることの大半を、自分はまだ抱えたままだという事実です。

『80代になるとたいていボケるか死ぬ』を50代で読む価値は、そこにあると思います。

本書を読んで、自分がいちばん引っかかったのは健康の章ではありませんでした。

世間が変わったのではなく自分が老いた、という一行です。

早期退職してから転職活動をしていた時期、まさにこれを認められずにいました。

70代になってからこの一行に出会っていたら、たぶん手遅れだったと思います。

16年前に読めたことが、この本を読んだいちばんの収穫でした。

保存用チェックリスト

歩く目的を1つ決めたか。

細くても入ってくる口を作ったか。

辞める順番を先に決めたか。

下の世代から教わる相手がいるか。

作るものを決めてから道具を選んだか。

変わったのは市場ではなく自分だと認めたか。

新しい仕組みを1つ試したか。

80代になるとたいていボケるか死ぬの要約まとめカード。76章中57章がやめること、54歳が16年前倒しで実践する7つ
保存用のまとめカード。76章の実測値と、16年前倒しでやめる7つ。

出典と注記

林真理子『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』幻冬舎(幻冬舎新書803)2026年5月27日刊。

本記事は上記書籍の要約と感想であり、内容は筆者の言葉で書き直しています。

章数と再生時間は、Audible版で執筆時点に確認した実測値です。

領域別の分類は筆者が章タイトルから判断したもので、著者や版元による分類ではありません。

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河合義寛(YoshihiroK)
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「Re:じぶん再起動ノート」運営者
こんにちは、河合義寛(YoshihiroK)です。53歳で早期退職し、Adobeとブログで人生を再起動中。医療業界30年の営業経験を土台に、50代からの学び直し・デザイン副業・ブログ収益化のリアルを実体験で発信しています。「今からでも遅くない」そんな再スタートを応援するブログです。
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