【要約】恐ろしいほどお金の神様に好かれる方法|図解でわかる効果的な「金毒」の抜き方と10分の1貯金
53歳で早期退職して、デザインの副業でどうにか食べていこうとしている自分にとって、「お金の話」は避けて通れないテーマでした。スキルの本は山ほど読んできたけれど、そもそも自分がお金をどう見ているのかは、考えたことがなかったんです。
今回読んだのは、心理カウンセラーmasaさんの『恐ろしいほどお金の神様に好かれる方法』(扶桑社)。スピリチュアルな題名に少し身構えたのですが、中身はかなり心理学と習慣化の話でした。この記事では要点を図解しながら、副業で稼ぎたい人の目線で読み解いていきます。
『恐ろしいほどお金の神様に好かれる方法』はどんな本か
先に、本そのものの位置づけを整理しておきます。著者の心理カウンセラーmasaさんは、20代のころに母親の介護をきっかけに会社を辞め、時給780円のアルバイトで生活していた時期があったと語っています。1日1食で暮らし、身長180cmで体重が60kgを切っていた——そんな困窮を経験した人が、その後どうやってお金との関係を作り直したのか。本書はその記録でもあります。
ですから、生まれつきお金に恵まれた人が上から語る本ではありません。どん底から這い上がった人が、自分に効いた順番で書いている。ここが、よくある引き寄せ本と少し違うところだと感じました。版元は扶桑社(扶桑社公式サイト)、オーディオブック版も出ていて、筆者はそちらで聴きました。
本書の構成は4章立てです。第1章で自分の思い込みに気づき、第2章で「金毒」を抜き、第3章でお金持ちの思考を学び、第4章で習慣に落とし込む。読む順番そのものが処方箋になっている作りなので、気になる章だけつまみ読みすると効果が薄いかもしれません。
想定読者は明確で、「お金の勉強を一度もしたことがない人」です。逆に、NISAや資産運用の具体的な数字を求めて開くと、ほぼ何も書かれていないので肩透かしを食らいます。ここは最初に押さえておいたほうがいいポイントでしょう。
まず結論:これは「稼ぎ方」ではなく「土台」の本
本書のゴールは、いきなり月収100万円を目指すことではありません。著者が掲げるのは「毎月プラス10万円のプチ贅沢」という、かなり現実的なライン。そこへ向かって、次の3ステップを踏んでいきます。
ポイントは順番です。財布を新調したり開運グッズを買ったりするのは、この図でいうステップ3の話。土台にあたる1と2を飛ばすと効果が出ない、というのが著者の立場でした。
「お金が好き」なのに貯まらない、という矛盾
本書の入り口は、拍子抜けするくらい身近なたとえ話です。納豆が好きな人の冷蔵庫には、たいてい納豆が入っている。当たり前ですよね。好きなものは、自然と手元に置いておくものだからです。
ではお金はどうか。「お金は好きですか」と聞かれれば、ほとんどの人が「好き」と答える。なのに口座の残高は満足いく額ではない。ここに説明のつかないズレがある、というのが著者の問題提起でした。
著者はここで、無意識ではお金を嫌っているのではないかと切り込みます。この視点は正直グサッときました。自分も昔は、友人との会話でお金の話題になると、さりげなく話を逸らしていたクチです。
思い込みは、たいてい子どもの頃につくられる
ではその無意識はどこから来るのか。本書では育った家庭環境の影響が大きいと説明されます。親が「うちにはお金がない」と繰り返していた、テレビでお金持ちが叩かれるのを見て育った、といった小さな積み重ねです。
本書には自己診断のチェックリストが載っています。ここでは自分に刺さった項目を挙げておきます。1つでも当てはまるなら、思い込みが残っているサインだそうです。
- お金持ちに、なんとなく良くない印象を持っている
- 「お金がない」が口ぐせになっている
- 大金を得るには、多少ずるいことが必要だと感じる
- 安いという理由だけで、予定になかったものを買ってしまう
- 財布の中がレシートやカードでふくらんでいる
- 水回りの掃除を、つい後回しにしてしまう
「お金持ちは悪い人」を切り離す4象限
個人的にいちばん腑に落ちたのが、この整理でした。お金の多い少ないと、人格の良し悪しはまったく別の軸である、という当たり前の話です。
頭では誰でも分かっている話です。それでも、高級車に乗っている人を見て一瞬「ずるい」と思ってしまうなら、その感情が自分の行き先を狭めている。著者はそう指摘します。
これはデザインの副業でも実感があります。単価の高い仕事を受けている人を見て「営業がうまいだけだ」と片づけていた頃は、自分の単価もまったく上がりませんでした。
本書のキーワード「金毒(こんどく)」とは
本書のいちばん独特な概念が「金毒」です。お金の悪口を言う、人をねたむ、極端にお金を使わずに済ませようとする——そうした行いでたまっていく、目に見えない澱(おり)のようなもの、と説明されます。
これがたまっていると、入ってきたお金がすぐ出ていってしまう。だから著者は、金運アップの小技を試す前にまず金毒を抜けと言います。汚れた器にきれいな水を注いでも仕方ない、という発想ですね。
4つの方法を並べてみると、共通点が見えてきます。どれもお金を止めずに動かしているんですよね。逆にためこむ側の行動は、すべてお金の流れを止めています。
ここは実用的だと思った
スピリチュアルな言い方をいったん外すと、要するに「支出を敵視しない」という話です。副業を始めた頃の自分は、経費を1円でも減らすことばかり考えていて、必要な投資まで止めていました。結果、いつまでも仕事の質が上がらなかった。金毒という言葉は、その状態にちょうどいいラベルだと感じます。
水回りの掃除が繰り返し出てくる理由
本書では、キッチンの排水口やトイレの掃除が何度も登場します。理屈はさておき、毎日確実に実行できて、結果が目に見える習慣という点で、行動を変える最初の一歩としてはよくできているなと思いました。掃除が続く人は、たいてい他のことも続きます。
宇宙の法則「与えたものが、受け取るもの」
本書の背骨にあたる考え方がこれです。先に与えた人のところに、あとから返ってくる。しかも著者は、返ってくる量は3倍だと言います。
大事なのは「目の前の相手から返ってくるとは限らない」という補足です。ここを取り違えると、「あれだけしてやったのに」という不満になってしまう。見返りを期待した時点で、それは与えたことにならないわけですね。
本書ではこの考えを、お釈迦様が托鉢を始めた理由の逸話や、寄付・納税の受け止め方の話につなげて説明していきます。税金を「取られるもの」ではなく「豊かさを循環させているもの」として見る、という発想の転換は、読んでいてなるほどと思いました。
いちばん具体的だった「10分の1貯金」
本書の中で、もっとも再現性が高いと感じたのがこの方法です。やることは単純で、手取りの10分の1を、専用口座に貯め続けるだけ。ただし1つだけ厳しいルールがあります。
そのルールとは「一生引き出さない」こと。お金が必要になったら、別の口座から出します。つまりこの口座は、絶対に減らない。著者いわく、これが「お金がお金を呼ぶ呼び水」になるそうです。
スピリチュアルな理屈を抜きにしても、これは合理的だと思いました。「自分は貯められる人間だ」という成功体験が、通帳の数字として毎月積み上がっていくからです。金額の大小より、途切れないことに意味がある。1割が厳しければ5%でも1%でもいい、と著者も書いています。
財布は「お金の住む場所」として扱う
ステップ3にあたる、いわゆる開運系の実践パートです。ここは信じる・信じないが分かれるところだと思うので、そのつもりで読んでください。
著者は、お金を「幸せを運んでくる存在」と見なすことをすすめます。そう考えると、財布はその住まいということになる。だから中身を整理し、置き場所にも気を配る、という理屈です。
正直、風水的な部分をそのまま受け取るかは人によると思います。ただ「財布の中を整理し、帰宅したら決まった場所に戻す」という部分だけ切り出せば、単純に持ち物の管理として理にかなっています。自分はレシートを毎日出す、というところだけ取り入れました。
福の神と貧乏神、どちらに好かれているか
本書はこの2つを対比させながら話を進めます。読み物としての装置ではありますが、自分の状態を点検するチェックリストとして使うと分かりやすい。
並べてみると、右側はすべてお金や他人に対して身構えている状態だと分かります。お金持ちでも右側にいる人はいる、という指摘も本書にはあって、そこは誠実だなと感じました。
結局は「21日間」の習慣化
本書の最終章は、意外なほど地に足がついています。どれだけいい考え方を知っても、習慣にならなければ人は元に戻る。だから21日間だけ続けてみよう、という話で本は締めくくられます。
この本から、自分が実際に始めた3つ
- 「お金がない」と言うのをやめる(代わりに、払えたことに目を向ける)
- 10分の1貯金を、金額を下げてでも始める
- 帰宅したら財布のレシートを出して、決まった場所に置く
どれもお金がかからず、今日から始められるものを選びました。開運グッズを買うより先に、こちらだと思います。
1か月やってみて、実際に変わったこと
要約だけ書いて終わるのも無責任なので、紹介した習慣を1か月ほど試した結果も残しておきます。
いちばん変化が分かりやすかったのは、口ぐせをやめたことでした。「お金がない」と言わないと決めただけなのですが、これが想像以上に難しい。自分がいかにその言葉を無意識に使っていたか、やってみて初めて気づきました。代わりに「今月も払えた」と言い換えるようにしたところ、2週間くらいで支出を見るときの気分が明らかに軽くなりました。残高は何も変わっていないのに、です。感情の問題だったんだな、と腑に落ちた瞬間でした。
10分の1貯金は、金額を下げて始めました。本書のとおり手取りの1割だと副業収入では厳しかったので、まずは5%から。それでも通帳の数字が毎月増えていくのを見るのは、思っていたよりずっと励みになります。「引き出さない口座」という縛りが効いている実感があって、これは他の貯金とは別物だと感じています。
財布の整理も続いています。ただ、置き場所を北側に移すといった風水の部分は、正直そこまで真面目にやれていません。レシートを毎日出すだけでも財布は薄くなるので、まずはそこからで十分だと思います。
逆に、変わらなかったこともあります。収入そのものは1か月では動きませんでした。当たり前ですが、この本を読んだだけで案件が増えるわけではない。土台が整った状態で、実際の営業なり制作なりを積み上げる必要があります。そこは正直に書いておきます。
副業で稼ぎたい人にとって、この本はどう役立つか
ここからは完全に私見です。この本を副業目線で読むと、いちばん効くのは「自分への投資をためらわなくなる」という一点だと思いました。
デザインで対価をもらおうとするなら、道具と学習には必ずお金がかかります。ところが「支出=損」という思い込みが残っていると、その最初の一歩でつまずく。自分がまさにそうでした。無料ツールにこだわって遠回りをして、結局はまともな環境を用意したほうが早かった、という結論に落ち着いています。
本書の言い方を借りれば、それもお金を気持ちよく循環させることの一部なのだと思います。使ったぶんを、仕事の質として返してもらう。そう考えると、必要な投資に対する迷いはずいぶん軽くなりました。
実際、自分がAdobeのツール代を「必要な経費」として受け入れられるようになってから、仕事の進み方は明らかに変わりました。料金やプランの選び方については、Adobe CC料金は高い?50代初心者向けプラン選びと損しない始め方で細かく検証しています。副業として何から手をつけるかの全体像は、50代からのAdobe副業ロードマップにまとめました。あわせて読んでもらえると、この記事の話がもう少し具体的になると思います。
デザインを仕事にするなら、環境をそろえるのが結局いちばんの近道でした。
Illustrator や Photoshop を含む Adobe Creative Cloud は、プランによって費用がかなり変わります。まずは自分に合うものを確認してみてください。
※本リンクはアフィリエイト広告です。価格や提供条件は公式サイトの表示をご確認ください。
読む前に知っておきたい、3つの注意点
良いところばかり書くのはフェアではないので、気になった点も残しておきます。
ひとつめは、因果関係の弱さです。本書には「これをやったら臨時収入があった」という体験談が数多く出てきます。ヤモリを見かけたら契約が決まった、財布の置き場所を変えたら競馬が当たった、といった調子です。読み物としては楽しいのですが、そこに再現性があるかというと、正直なんとも言えません。読者の体験談は選ばれて載るものなので、うまくいかなかった人の話は出てこない、という構造も頭の隅に置いておきたいところです。
ふたつめは、用語の独特さ。金毒、宇宙貯金、福の神といった言葉が最後まで続きます。この語彙が受けつけない人は、内容の良し悪し以前に読み進めるのがつらいはずです。逆にいえば、こうした言い回しを「たとえ話」として処理できる人なら、実用書として十分に読めます。
みっつめは、具体的な金融知識がほぼ無いこと。投資詐欺への注意喚起や、自分の資産を把握しようという話は出てきますが、では何にいくら投じるべきかという実務には踏み込みません。そこは別の本で補う前提で読むのが正解だと思います。
よくある質問
スピリチュアルが苦手でも読めますか
読めますが、我慢は必要です。福の神や宇宙といった言葉は最後まで出てきます。ただ、それらを「習慣を続けるための物語装置」と割り切れるなら、実践パートだけを抜き出して使うことは十分できます。筆者はそのように読みました。
結局いちばん効果があるのはどれですか
ひとつ選ぶなら10分の1貯金です。数字として結果が残るので、効いているかどうかを自分で確認できます。逆に、確認しようのないものは続きにくい。掃除や口ぐせも、目に見える変化があるという点では同じ理屈だと思います。
お金がない状態でも実践できますか
できます。本書がむしろ強く言っているのは、余裕がない人ほど先に少しだけ差し出してみる、ということでした。金額の大小ではなく、出す側に回った経験そのものに意味があるという立場です。無理のない範囲で、というのは著者自身も繰り返し書いています。
オーディオブックと紙、どちらがいいですか
チェックリストや図が出てくるので、書き込みながら進めたい人は紙か電子版が向いています。筆者はオーディオブックで聴きましたが、通勤や家事のあいだに繰り返し流すという意味では、耳で聴く形式も相性が良いと感じました。
この本だけでお金が増えますか
増えません。本書は稼ぎ方の技術書ではなく、稼ぐ前の心構えを整える本です。実際に収入を増やすには、別途スキルなり営業なりが必要になります。そこは正直に書いておきます。
どのくらいで読み終わりますか
文章は平易で、オーディオブックなら通常速度でおよそ5時間、書籍なら2〜3時間程度が目安です。ただ、チェックリストに向き合いながら読むと、もう少し時間がかかると思います。
まとめ:合う人・合わない人
正直に書くと、この本は読む人をかなり選びます。福の神や宇宙の法則といった言葉が最後まで出てくるので、そこが受けつけない人にはつらいはずです。数字で資産形成を学びたいなら、別の本のほうが向いています。
いっぽうで、「稼ぎ方は分かっているのに、なぜか手が動かない」という人には効くと思います。原因が知識ではなく、お金に対する感情のほうにあるケースは確かにあるからです。自分はそちら側でした。
この記事の要点
- 順番が大事。思い込みに気づく→金毒を抜く→習慣にする
- 「お金持ちは悪い人」を切り離すと、自分の行き先が広がる
- 与えるのが先、返ってくるのは後。しかも別の経路から
- 10分の1貯金は、金額より「途切れないこと」に意味がある
- 最後は21日間の習慣化。開運グッズより先にやることがある
この記事の写真について
本文中の写真は、すべてAdobe Stockの無料素材から選んでいます。無料コレクションだけでも数十万点あるので、ブログの画像はここで十分そろいます。ただ、探している画像が無料の範囲に見つからないことも当然あって、自分はそういうときだけ有料プランを使っています。Adobe Stockの料金プランPRは点数によって単価がかなり変わるので、必要になってから比べるのがいいと思います。
書籍情報
| 書名 | 恐ろしいほどお金の神様に好かれる方法 |
|---|---|
| 著者 | 心理カウンセラーmasa |
| 出版社 | 扶桑社 |
| 形式 | 単行本/電子書籍/オーディオブック(朗読:吉岡りんご) |
本書を読んでみる
単行本のほか、Kindle版とオーディオブック版があります。筆者はオーディオブックで聴きました。
執筆時点でAudibleの聴き放題対象なので、会員なら追加料金なしで聴けます。
※価格や配信状況は変動します。最新の情報はAmazonの商品ページでご確認ください。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
この記事は、筆者がオーディオブック版を聴いたうえで内容を要約し、感想を加えたものです。紹介しているのは本書の一部にすぎないので、気になった方はぜひ本編で確かめてみてください。引用ではなく筆者の言葉でまとめているため、細かなニュアンスは原著と異なる場合があります。

