『賢者の書』(喜多川泰)感想:人生を見つめ直す“11の教え”と心に響く物語

人生の転機に読みたい一冊でした
本とは無縁だった私がAmazonのオディブルに出会い、何気ない日常で傾聴し人生を振り返ると反省をしました。
はじめに:心を揺さぶる“自己対話”の物語
『賢者の書』は、14歳の少年サイードが9人の賢者から教えを受け取り、自身の成長と向き合う物語です。また、もう一人の主人公(人生の迷い)アレックスがその旅を追体験し、自らの人生を見つめ直す姿も描かれています。物語を通じて、読者自身も自己対話を深めることができる作品でした。

『賢者の書』のあらすじと見どころ(要約)
14歳の誕生日に、サイードは祖父から「賢者の書」という何も書かれていない本を贈られます。この本には、彼の思考や経験が記され、賢者との対話を通じて教えが書き込まれていきます。サイードは賢者の書を完成させるため、9人の賢者の話を聞く旅に出ます。一方、アレックスは人生に行き詰まりを感じ、かつて住んでいた町を訪れ、サイードの旅を追体験します。
この物語の魅力は、読者自身が賢者との対話に参加しているような感覚を味わえる点です。各賢者の教えは深く掘り下げられており、多角的な視点から考えることができます。また、教えは章の終わりに1ページでまとめられており、振り返りやすい構成となっています。
賢者の書の基本であり、最も根本的な考え方を1人目の賢者から学びます。物語の中では、宇宙が描かれた1万ピースのパズルを使って説明されます。
賢者の“11の教え”とその気づきについて
『賢者の書』には、人生を豊かにするための11の教えが登場します。以下に、それぞれの教えとその要点をまとめました。

1. 良い結果も悪い結果も今必要なもの
行動の結果は成功や失敗ではなく、人生というパズルを完成させるための一片である。すべての経験が意味を持つ。
良い結果も悪い結果も今必要なもの
行動の結果として我々が手に入れるものは、成功でもなければ、失敗でもない
人間の可能性は無限大である
我々が手にするものは、一枚の絵を完成させるために必要不可欠な、パズルのひとピースにすぎない。
2. 人間の可能性は無限大である
人間には無限の可能性があり、心の力を信じることで新たな道が開ける。
人間には無限の可能性がある
賢者の書において大いなる力とは創造主の力とされており、この宇宙や世界を創造した力と同じものを全ての人が持っていると伝えられます。
心の持ち方や意思を強く持つ、という感覚はありましたが、心の力の大きさという視点はありませんでした。思いの強さみたいなものと通ずるところがあるかもしれません。
3. 自尊心と他尊心の高さと両立を
自分自身を尊重すると同時に、他者への尊敬の心も持つことで、より良い人間関係が築ける。
自分がかけがえのない存在であり、無限の可能性を持った唯一無二の存在であると、絶えず自らに言い聞かせる必要がある
自尊心と同じ高さにまで、他尊心(他者)も高めている必要がある
自分自身の可能性を信じ存在そのものが尊いものであると伝えられます。ここで勘違いしてはいけない注意点は、自分が特別で無限の可能性を秘めているように、他者も特別で無限の可能性があるということです。

4. 何にではなく、どんな人間になるかが大事
職業や肩書きではなく、どのような人間になるかが人生の成功を決める。
これになれたら成功、幸せなどという職業は存在しない
成功は職業についてくるものではなく、人についてくるものだからだ
自分はどんな人間になるのか、どんな人間を目指していくのかを、考えることを忘れてはならないと伝えられます。
5. 伝記を作るつもりで今の行動を重視する
日々の行動が未来の自分を形作る。成功者のように、今を大切に生きることが重要。
今何を持っているいないに関係なく、今日一日、成功者としてふさわしい過ごし方をするだけだ
結果が出ない時はモチベーションが下がったり、邪道な方法が頭をよぎることがあります。
客観的にその状態を見て、成功しそうな行動が取れているのか?を考え続けることの大切さが説かれている気がします。
6. 必ず帰ってくる投資は時間の投資
時間を自己成長のために投資することで、確実に成果が得られる。
自らの人生という貴重な財産を、時間という財産を投資したのだ
世の中一般に言われる投資(株・FX・資産運用)のほとんどはギャンブルであり、必ず利益を得られるとは限りません。
時間を投資し、お金ではなく、なりたい自分になるために時間を使うことは確実に返ってくると説明されます。

7. 自分ではなく他人の幸せのために動く
他人を幸せにすることを考えて行動することで、自分自身も幸せになれる。
人間は何を探して生きるかという点において、二つに大別される
ひとつは、自分を幸せにすることを探す人々
もうひとつは、他人を幸せにすることを探す人々
他人を幸せにすることを探せる人は素敵だと思います。自分が満たされていない状態では難しいと思いつつ、他人を幸せにしたいと考えている人が、実際に自分を幸せにしたいと考えるかどうかは分からない。でも他人の事を幸せ(支援)する事は大切だと思う。
8. 口に出すものだけでなく、頭の中で使う言葉が大切
言葉には力がある。心の中で使う言葉も含めて、ポジティブな言葉を意識する。
人生は、言葉によってつくられている
その人に起こるすべての出来事は、その人が発したり、心の中で思い描いたりする言葉に起因する当然の結果に過ぎない
行動の出発点は自身が発する言葉や、心の中で思い浮かべる言葉が起点となっているという教えでした。常にポジティブ思考で発言しようと思う。
9. 感謝の気持ちを忘れない
日常の中で感謝の気持ちを持つことで、人生が豊かになる。
とにかく、ありがとう!多く口にする毎日を送らなければならない
人は誰一人として、一人で生きてゆくことはできない(共存共栄)
純粋にすべてに対して感謝を述べることの重要性が伝えられます。

10. もらうのではなく与える気持ちで考える
欲しいものを手に入れるためには、まず自分がそれを与える存在になることが大切。
人生において欲しいものを手に入れるためには、手に入れたいと思うものを与える側にならなくてはならない
自分が価値を感じているものを、必要とする人にプレゼントする重要性が伝えられます。
11. 人はいつでも生まれ変わることができる
過去にとらわれず、今この瞬間から新たな自分として生きることができる。
人間は何度だって生まれ変わることができる
昨日までの愚者は、今日、賢者として新しい誕生を迎える可能性を持っている
常に前向きに挑戦・行動を続け、どのような結末になるか分からくても、挑戦・行動そのものが重要であると教えられました。その挑戦・行動はいつ始めても、いつ再開しても遅くはないというメッセージを感じます。
心に響いた“パズルのピース”の比喩とまとめ
本書で特に印象的だったのは、人生をパズルのピースに例えた比喩です。一つ一つの経験が、全体の絵を完成させるために必要なピースであるという考え方は、失敗や挫折も前向きに捉える助けとなります。
また、他尊心の教えは、自分中心になりがちな日常において、他者を思いやる心の大切さを再認識させてくれました。
『賢者の書』は、自己啓発書でありながら、押しつけがましさがなく、読者自身が自分のペースで考えを深めることができる作品です。人生に迷いや不安を感じている方にとって、心の支えとなる一冊となるでしょう。

著書累計115万部 喜多川泰のデビュー作が新装版になって登場!
ページをめくれば動き出す、あなたの心を奮い立たせる冒険の物語。
本文より
何の変哲もない、いつもと同じ一日が始まったはずだった。
仕事も私生活もうまくいかず、くすぶっていたアレックスの前に、不思議な少年サイードが現れる。
サイードは九人の賢者を求めて旅をしており、これから最後の賢者に会うことになっているのだという。
サイードの旅の記録である「賢者の書」を読み始めたアレックス。
そこには、サイードの冒険譚と、賢者たちから学んだ人生に成功と幸せをもたらす教えがしるされていて……。
***
人間は何度だって生まれ変わることができる。
昨日までの愚者は、今日、賢者として新しい誕生を迎える可能性を持っている。
そして、その可能性はすべての人にある。
そのきっかけになるのは、一人の人間との出会いかもしれない。一冊の本との出会いかもしれない。
何がきっかけになるかはわからない。
しかし、自分が今日を新しい自分の誕生日とするたびに、それまでの自分とは違う新しい人生を始めることができる。
昨日までのその人を知る者は、その変化をあざ笑うかもしれない。
しかし、だからといって、今日を自らの誕生日として、新しい人生のスタートにすることをためらう必要はない。
自らの人生を素晴らしいものにするために生まれ変わろうとするときに、他人がどう思うかなど全く気にする必要はないのである。

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